ヒルクライムが好きな飛べない鳥

ヒルクライムが好きな飛べない鳥

2020年に札幌に引っ越してきて2021年からロードバイクを始めた、札幌初心者ロードバイク初心者。

マウンテンバイクにスパイクタイヤ「ice spiker pro」を履かせて雪道仕様に!

 私の住む札幌市では11月に入ると雪の降る日が出てきて、12月中旬くらいからは根雪になることが多いようです。なので多くのサイクリストたちは冬になると自転車に乗らなくなったり、あるいは家の中でローラーを転がしたりしているようで、外で自転車に乗っている人をほとんど見かけなくなります。たまーに雪の上で無理やりママチャリ乗ってる人を見かけますが、やってみるとわかりますがかなり怖いです。直進はなんとかできてもブレーキやコーナリングは基本しないほうがいいです。横断歩道のアイスバーンなんか乗り上げたら滑らないほうが不思議なくらいですね。なぜか雪道でママチャリ乗ってるのは、夏の道走るのも危なっかしいようなおじいちゃんが多いんですが笑。きっと「これまで何十年も乗れてきたから大丈夫!」といった自信があるのかと思います。そんなおじいちゃん方を含め、雪道でも自転車に乗りたいと思っている人にはこれから紹介するスパイクタイヤを履いて感動してほしいです!

Schwalbeのスパイクタイヤは大きく分けて2種類!

 スパイクタイヤは需要が少ないためか選択肢が非常に少なく、さらに製造が海外メーカーばかりなので入手自体がしにくいです。そんな中で、日本国内でも比較的入手しやすいのがschwalbeのスパイクタイヤです。schwalbeは「シュワルベ」と読むドイツのメーカーです。ドイツというだけで信頼してしまうのは私だけでしょうか?笑。ロードバイクタイヤからマウンテンバイクタイヤまで幅広いジャンルの自転車タイヤをリリースしています。とくに有名なのがマラソンタイヤでしょうか。耐パンク性能が非常に高く、日本一周などの長期自転車旅行にうってつけのタイヤです。そんなschwalbeから発売されているスパイクタイヤには大きく分けて二種類あります。「マラソンウィンタープラス」シリーズと「アイススパイカープロ」シリーズです。厳密には「ウィンター」がありますがマラソンウィンタープラスに近いので前者にまとめて説明しちゃいます。

ラソンウィンタープラス/ウィンター

ラソンウィンタープラスシリーズは名前の通りツーリング向けのマラソンタイヤにピンを打ったような見た目で、凹凸が少ない印象です。幅も700x35cと比較的細いものから存在し、除雪された道やアイスバーンでの走行に適しているかと思います。クロスバイクや太めのタイヤが入るエンデュランスロードなどにはおすすめかもしれません。ただし圧雪されていないような場所では雪に埋もれて進むのが厳しいかと思います。

マラソンウィンタープラス トップ
ノブが低く抵抗が少なそう。圧雪およびフラットな凍結路向きか。
マラソンウィンタープラス 表
豊富なタイヤサイズ。小径車で雪道を走りたい酔狂な方(褒め言葉)にも対応。
ウィンター 表
「ウィンター」は「マラソンウィンタープラス」から両端二列のピンをなくしたような形状。少しだけ低価格化、軽量化になるがサイドのピンがないのはコーナリング時に若干不安。せっかくスパイクタイヤにするなら強いてこちらを選ぶことはないかも。しかし、30cという細サイズがあるのでロードバイク等のクリアランスが限られた車種には救いになる。

アイススパイカープロ

 もう一つが今回の本命、アイススパイカープロです。こちらは見るからにごつごつしていて、マウンテンバイク用タイヤのブロックにピンを打ったような感じです。ピンのおかげで硬い雪や氷に食いつくのはもちろん、ブロック自体が比較的高いので柔らかい雪でも掴んでくれそうです。26/27.5/29インチがラインナップされており、ほぼすべてのマウンテンバイクで使用できるかと思います。

アイススパイカープロ
見るからに強そうなアイススパイカープロ
アイススパイカープロ 表
マウンテンバイクのタイヤサイズをほぼ網羅。

 以上の特徴を短くまとめれば、マラソンウィンターは軽快性重視、アイススパイカーは走破性重視といえるのではないでしょうか。とはいえタイヤクリアランスやリムのサイズでおのずと選択肢がなくなる場合がほとんどなのですが。650B(=27.5)と700cコンパチのグラベルロードとか26インチマウンテンバイクに乗ってる方なら、どちらを重視するかで選ぶことができると思います。今回私がスパイクタイヤを履かせようとしているのは29erマウンテンバイクなので、無難にアイススパイカープロ29x2.25を選択しました。

装着するのはscwalbe ice spiker pro!

 アイススパイカープロの29x2.25を装着と言いましたが、このサイズには二種類ラインナップされています。一つはワイヤビードでクリンチャー仕様、もう一つはフォールディングビードでチューブレスレディ仕様です。両者には、スパイクピン台座の素材がスチールに対してアルミニウム、重量が29x2.25サイズにおいて1170gに対して935gといった違いがあり、いずれにおいても後者のほうが優れています。その違いは定価に表れており、¥14,080に対して¥18,700となっています。スポーツバイクのタイヤは総じて高価ですが、その中でもスパイクタイヤの価格は異次元ですね。初めて見たときは、二本セットの値段じゃないの?と思いました笑。まあシュワルベのタイヤは基本海外通販で買ってしまうので定価で買うことはほとんどないのですが。

 以上を踏まえまして、今回私が選んだのはワイヤービードのほうです。理由はやっぱり値段ですかね笑。私の愛車cannondale trail se3は完成車でチューブレスレディ対応のホイールをはいていたので、せっかくならチューブレス化したいなーなんて思ったりもしたのですが、冬はリム打ちするような場面は少ないと思いますし、夏タイヤへの交換とかいろいろ考えると、チューブレスレディのメリットは価格差に見合うほど受けられないと考えました。重量は結構差が出るかと思いますが、近所の街乗りがメインなので多少重くても問題ないでしょう。年越し宗谷岬みたいなエクストリームなロングライドやるなら体力消費を抑えるためになるべく軽いほうがいいかもしれません。

アイススパイカープロ
アイススパイカープロ 29x2.25 ワイヤービードタイプ。カッコいー!!

 今回私がアイススパイカープロを購入したのはみんな大好きwiggle!ではなく、bike componentsというドイツの通販サイトです。ほんとはwiggleで買おうと思っていたのですが、10月くらいには29x2.25サイズが売り切れてしまい、焦っていろいろなところを探した結果行き着いたサイトというわけです。値段は正確には覚えていませんが、送料合わせて二本で15,000円くらいだったと記憶しています。一本当たり7,500円で買えたことになり、国内定価の半額くらいですね!ということは、国内正規品は代理店が相当がっつり儲けているということでしょうか?詳しいことは知らないので何も言えませんが。海外通販を一度使ってしまうとなかなか定価で買えなくなりますね。

 前置きが長くなりましたが、さっそく取り付けていきましょう。まず手に持つと、ずっしりと重量感があります。明らかに走りは重くなりそうです。雪上では走行抵抗が大きいので重さはあまり気にならないと思いますが。そして肝心のスパイクピンですが、たくさんあるブロックの一つ一つに打ち込まれており、非常に頼もしいです。アイスバーンとかなら冬靴で歩くのよりも安全かもしれませんね。

アイススパイカープロ スパイクピン
ブロックの形状はシンプルな六角形で、ピンを打つための台座という感じ。たまにこいつみたいに変な向きのピンがいます笑。

 そして取り付けです。スパイクタイヤだからと言って特殊な取り付け方をするわけではありませんが、ピンが無数に打たれていて刺さると痛いので作業用手袋を使用することをお勧めします。私は素手で強行して手の皮がちょっと剥けました笑。個体差かもしれませんがもともとついていた夏用タイヤよりもビードがきつく、最後の十数センチをはめるのがきつかったです。

アイススパイカープロ タイヤ交換
前輪だけ交換完了したところ。後輪は既存のリムテープがそのまま使えなそうだったので養生テープで代用しました。(恥ずかしい笑)

 そしてついに冬仕様MTBの完成です!見た目がめちゃくちゃ強そうになりました。ちょうど雪が少しだけ積もってたので近所を走り回ってみましたが、抜群の安定感ですね!数センチの積雪だったら多少の抵抗はあれどものともせずに走破できます。日陰で凍っているところも、ゆっくり曲がるくらいだったら問題なくできますし、急ブレーキをかけると氷を削りながらゴリゴリと止まってくれます。これはすごい!ママチャリでサドルを下げて恐る恐る乗るのと比べると、速さ、楽しさ、安全性のいずれにおいても段違いに上でした。

cannondale trail se3
強そう。交差点で信号待ってたら通りすがりのおばあちゃんに話しかけられてタイヤもみもみされました。

 今年の札幌はなかなか根雪にならず、この文章を書いている現在も雪が解けてアスファルト路面に戻っています。ですのでもっと雪の路面で乗り込めたら再び感想を書きたいと思います。

↑大雪が降って実走できました!

ではまた~。